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成分の大部分が、精製の過程で除去されたことによるものと考えられる。
したがって、マーバン原油のムース化油同様に処理薬剤の散布量が10%程度で良好な燃焼状態が得られ、燃焼残渣も少なかった。
(4)C重油
重質原油と同様に、60%の含水率で高粘度化し、長期間安定したムース状態を呈することがわかった。
上記含水率の場合、処理薬剤の散布量は15%程度が適量で良好な燃焼状態が得られることが分かった。処理薬剤として乳化破壊剤と混合する溶剤は乳化作用の少ないものを使用することが必要である。
なお、3カ年の調査研究過程において、調査対象としたムース化油については、元油である油種の性状の違いによって、できあがったムース化油の性質にも若干の差が生じ、処理技術を適用するにあたりわずかながら調整を加える必要があることが分かった。
主な調整点は、
・油種の密度が高くなるほど、処理薬剤を若干増量させる必要がある。
・油種の密度が高くなるほど、ムース化油に処理薬剤を浸透させるための静置時間を長くとる必要がある。
などの点である。
1)堀口博著、「新界面活性剤」,pp88−89、三共出版株式会社
2)John R.Clayton,et a1.,(1993)Oil Spill Dispersants Mechanisms of Action and Laboratory Tests,p14
3)同上、p21
4)日本化学会、「化学便覧」(応用編)、pp967−973(1980)

 

 

 

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